古代ペルシャのシンボル
古
代ペルシャのシンボルは常に崇高で謎に満ちていました。主に古代の石版に描かれ
た聖典のように目に見えるものとしてだけではなく、現在まで彼らの伝統を伝えるシンボルでした。これらのシンボルは国中で使われいて、その当時の重要性を
示しています。
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古代ペルシャ文化
古
代ペルシャの土地は、私たちが今日知っているように、今ではイランやアフガニス
タンがある地域に位置していました。人類の文明は、紀元前1200年には早くも存在していたことが知られています。最初のペルシャ国は紀元前700年に設
立されました。この古代の土地は数々の野心的な征服者たちの成功によって広がり、最も重要な王朝はギリシア、アラブ、トルコそしてかのモンゴル
にまで広がっていきました。帝国は常に軍事的征服を通じて拡大していきました。
ペ
ルシャ人は高度な文明を持っていました。古代ペルシャの首都ペルセポリスの遺跡から明らかであるように、複雑な幾何学の数学や天文学を利用して造られてい
たことが伺えます。幾何学的な形の他にも、当時の芸術には、ライオン、孔雀、グリフィン、不死鳥といった、実際のものと想像上のものを組み合わせたス
タイルを中心に表現されていました。時と共に古代の神々とこれらの神話的要素は、その地域の歴史において中心となる非常に重要なものになっていきました。
古代ペルシャ人の宗教的慣習
古
代ペルシャ人は、預言者の教師ゾロアスターによって始められたゾロアスター教を支持していました。紀元前600年に設立され、ゾロアスターはこの宗教を通
じてこの地域の帝国を団結させてきました。彼は複数の偶像崇拝よりも、アフラマズダという単一神の崇拝を説きました。宗教は善悪の戦いと新旧交代を強調し
ていました。以前には非常に多くのゾロアスターが支配していましたが、現在残っているのはほんのわずかです。
以下から分かるように、古代ペルシャ人は神話上の生き物に魅了され、最も重要なものとして崇めていました。
ペルシャの水の女神アナヒタ
ア
ナヒタはペルシャの水の女神です。彼女はまた豊饒の女神や、野獣の貴婦人、聖なるダンスの女神としても知られています。アナヒタは水を支配し星と運命を統
治していました。翼と強大なライオンを伴って、アナヒタは星の宝石をちりばめた王冠と一緒にしばしば描かれています。また、彼女は湖や川、湧水にも関連
し、女性の保護者であり戦いの女神でした。
ア
ナヒタは"清純な人"を意味しています。黄金のマントとダイヤモンドのティアラで華やかに飾られた処女として表現されています。彼女の神聖なる動物は小鳩
と孔雀です。古代ペルシャではアナヒタはとても人気があり、偉大な女神とされ東部の信仰でも多く見られました。
太陽とライオン
こ
の古代ペルシャのシンボルは二つのイメージ、ライオンと太陽から構成されています。ライオンは聖なるもの、王位、王家の血統、占星術のしし座が象徴するも
のと同等の意味を持っていました。一方、太陽のイメージは天の支配を象徴しています。これは非常に有名なシンボルで古代から多くの歴史の中で規則通りに旗
として使われてきました。
楽園の鳥:フーマー
フー
マー鳥はスーフィー寓話からくる伝説の神話上の生き物です。一度も地上に降りることはなく一生空を飛んでいると言われています。はるか上空を飛ぶために人
間がその目で見ることはできません。また幸運の鳥とも呼ばれるフーマー鳥は思いやりのある生き物で幸せを象徴しています。スーフィー伝説によると、フー
マー鳥を一目でも、あるいはその影だけでも見ることができたら、生涯ずっと幸せが保証されるといわれています。スーフィーの著名な伝道師であるイナヤッ
ト・カーンはこの鳥のスピリテュアル的な側面を表現しています。彼によると、それは全ての限界を超える頂点へ向かう思考の進化を表しています。ペルシャ語
で”フーマー”とは素晴らしい鳥を意味しています。この伝説の生き物が頭の上に止まった場合、その人が王になる
前兆だと信じられていました。フーマーという言葉の”フー”は精神を意味し、”マー
”はアラビア語で”水”を表しています。昔の伝統で、ゾロアスターは、”水と魂から生まれた人間以外
は、神の国に入ることができない”という聖書の節を話すフーマーの木から生まれたと信じられ
ています。
他
のバージョンとして描かれるフーマーは不死鳥に似ています。数百年すると自ら火の中に入って灰となり、自身の灰から新しく生まれ変わるというものです。こ
の鳥は楽園の鳥とも呼ばれています。一つの身体に雄と雌の両方の機能を持っていて、それぞれの機能は一つの翼と一本の足から成っています。伝説にあるよう
に、フーマー鳥を捕まえるのは不可能です。スーフィー教によると、フーマー鳥を生きたまま捕まえることはできず、もしその鳥を殺してしまうと40日で死ぬ
と言われています。
グリフィンの伝説
グリフィンは映画やフィクション小説に頻繁に登場する人気のある神話上の生き物で
す。グリフィンはキメラまたはハイブリッドの神話の生き物です。この伝説の生き物は、身体はライオンでワシの頭と翼を持っていて、動物と鳥の両方をもった
王の象徴です。さらに馬の耳を持っているものもあります。伝統的に、宝物と財産を守るものとして知られ、またグリフィンは悪や中傷、魔術から守るとも言わ
れています。グリフィンはキリストの教会でもその彫刻が見られ、キリスト教では神と人間の両方を描いているシンボルとされています。
紋章学でグリフィンは勇気やリーダーシップと強さを表しています。獰猛に描かれ長
い間人々の尊敬を集めてきました。ヨーロッパでは国章や崇高な旗、多大な尊敬を集める重要な家系などで使われています。この魅惑的な神話の生き物のルーツ
は西ヨーロッパからインド亜大陸の東端、さらにはその先へと伝わっていきました。
パワフルで雄大なグリフィンは金と宝を守っていました。中世の時代には、グリフィ
ンは一夫一婦制の結婚の象徴と見なされるようになりました。彼らは貞節を助言していました。パートナーに対して厳密に忠実であると知られていることから、
一方が死んだ場合には、残ったもう一方のパートナーは決して新しい相手を見つけることはありませんでした。グリフィンが天と地を自由に横切ることができる
ことが、キリストが人間と神の間を行き来できる事に例えられ、イエスを象徴するものになりました。
グリフィンは力と知恵の両方を表しています。一般的に戦争時の強さに関連付られて
います。中世ジェノバ共和国では全ての航海の船にグリフィンをシンボルとして使っていました。
ダマーヴァンド山
イランに頂を持つこの山は中東で最も高い山です。ダマーヴァンドは活火山でペル
シャの神話や寓話の中でもこの山は頻繁に登場しています。また、外国の支配に対するペルシャ人の抵抗のシンボルにもなっていました。皮膚の滋養と慢性の傷
を癒すことができる温泉が湧くことから、不思議な治癒力を持った山と言われています。イランの10000リアル札の裏側にはこの山が印刷されています。